偽物が届いたとき
通販で買ったブランド品が偽物だったら?——代引きは開ける前に払うので、送り状の「依頼人」を先に見る
安いブランド品を通販で見つけ、代金引換で頼んだら、届いた箱の中身が偽物だった。そんな相談が国民生活センターに寄せられています。
代引きでは、代金を払ってから箱を開けます。偽物だと分かった時には、お金はもう宅配業者に渡っています。
この記事を読むと、代引きで返金が難しくなる理由と、受け取る前に送り状のどこを見ればよいかが分かります。
・代引きは、代金を払う前に中身を確かめられない
・払ったあとで偽物と分かっても、宅配業者からの返金は難しい
・受け取る前に、送り状の「依頼人」が注文した店かどうかを見る
代引きで頼むと、なぜ偽物に気づくのが遅れる?
払ってからでないと、箱を開けられないからです。国民生活センターの見守り新鮮情報は、代引きの流れをこう書いています。
代引き配達で宅配業者等に代金を支払って商品を受け取ってしまうと、後で商品が「偽物」だとわかっても宅配業者からの返金は困難です。
国民生活センターの発表も、代金を払ったあとに偽物と分かって宅配業者等に返金を求めても、返金されないと書いています。紹介されている相談では、宅配業者から「荷物を開封した後は受け取り拒否にはできない」と言われています。
偽物の相談は、どれくらい来ている?
インターネット通販の「偽物」の相談は、2022年度で4,052件です。国民生活センターが2023年4月26日に公表した発表の数字を、表にしました。
| 年度 | 偽物の相談の件数 | そのうち代引き配達に関わる割合 |
|---|---|---|
| 2019年度 | 2,985件 | 29.1% |
| 2020年度 | 4,899件 | 50.8% |
| 2021年度 | 4,617件 | 63.5% |
| 2022年度 | 4,052件 | 59.3% |
発表の注によると、消費生活センター等からの経由相談は含まれていません。数は2023年3月31日までに登録された分です。
2020年度を境に、偽物の相談の半分を超えるものが代引きに関わるようになっています。
偽物が届くサイトには、どんな形がある?
見守り新鮮情報は、よく見られる形を4つ挙げています。
「偽物」が届く通販サイトには、(1)大幅に値引きされている(2)日本語の字体、文章表現がおかしい(3)代引き配達しか選択できない(4)送り状の依頼人が販売業者の名称とは異なっている等の特徴がよく見られます。
国民生活センターの発表は、同じ形を並べたあとに、当てはまるかどうかだけでは決められないとも添えています。
*上記のいずれかの項目に該当する通販サイトであっても、「偽物」が届く通販サイトではない場合があります。
4つは疑うきっかけで、偽物だと決める物差しではない、という読み方です。
受け取る前に、どこを見ればいい?
送り状の「依頼人」の欄です。見守り新鮮情報の助言をそのまま引きます。
代金を支払う前に、送り状に記載されている「依頼人」の情報を確認し、注文した販売業者とは違う場合は、代金を支払わず、受け取りを拒否しましょう。
発表の相談事例では、送り状の依頼主の欄に、発送を代わりに引き受けた業者と見られる名前が書かれていました。販売業者の情報は分からないままでした。
届いた荷物の送り主が、注文した店の名前と合っているか。玄関で財布を出す前に、その1点で立ち止まれます。
相談を寄せた人は、SNS の広告を公式の通販サイトの広告だと思い、リンク先で注文していました。広告の入り口が公式に見えても、その先の店が公式とは限りません。
発表の事例では、あとからブランドのホームページを見ると、なりすましの広告に注意するよう呼びかける案内が出ていました。相談者は、購入前に確認すればよかったと話しています。
大手の通販サイトに出店している店とのやり取りでも、偽物が届いた相談がありました。カード払いで頼んだのに、店の側から代引きに変えられた例です。
発表は、そうした連絡が来ても取引や支払いはせず、通販サイトの運営会社に知らせるよう書いています。問題点として、店がサイトの外での取引に持ち込み、偽物が届いてもサイトの補償が受けられないことも挙げています。
受け取る前に、手元で確かめること
- 通販サイトに、販売業者の名前・住所・電話番号が出ているか
- 支払い方法が、代引きしか選べなくなっていないか
- カード払いで頼んだのに、代引きに変えると連絡が来ていないか
- 届いた送り状の「依頼人」が、注文した店の名前と同じか
あなたの場合は、どれに当たる?
- これから代引きで受け取る:送り状の「依頼人」を見てから払う。違う名前なら受け取らない
- もう払って、開けたら偽物だった:宅配業者からの返金は難しい。住んでいる自治体の消費生活センター等に相談する(消費者ホットライン188)
- 海外の通販で買い、税関から通知が届いた:偽物の輸入と税関の記事を読む
- 手元のブランド品を売ったあとの税金が気になる:ブランド品を売ったときの税金の記事を読む
この記事の話と違うとき
- どの買取店に売るか:このサイトでは、どの店がよいかは書きません
- 偽物と分かった品を売ってよいか:この記事で読んだ2つには書かれていません
- フリマアプリの個人どうしの取引:この記事で読んだ2つは、通販サイトでの購入の相談です
よくある質問
開けたあとでも、受け取りを断れる?
紹介されている相談では、宅配業者から「荷物を開封した後は受け取り拒否にはできない」と言われています。断るなら、代金を払う前、開ける前です。
当てはまる形が1つあれば、偽物のサイト?
国民生活センターの発表は、当てはまってもそうでない場合がある、当てはまらなくても偽物が届く場合がある、と書いています。4つの形は、立ち止まるきっかけとして使います。
どこに相談すればいい?
見守り新鮮情報は、住んでいる自治体の消費生活センター等を挙げています。消費者ホットライン188 につなぐと、近くの窓口を案内してもらえます。
この整理が変わる条件
- 国民生活センターが、新しい発表で件数や助言を改めた場合(本記事は2023年4月26日の発表と2023年10月3日の見守り新鮮情報を2026年9月27日に読んだもの)
- 宅配業者の代金引換の取り扱いが変わった場合
出典
- 独立行政法人国民生活センター「偽物が届くインターネット通販トラブルで“代引き配達”の利用が増加しています!!」(2023年4月26日公表) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230426_1.html
- 独立行政法人国民生活センター 見守り新鮮情報 第463号「インターネット通販トラブル 代引き配達で偽物が!」(2023年10月3日公表) https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen463.html
上の出典を引いて確かめた日: